─────…コンコン
「おー。」
「あ、あの、小林です。」
「おー夏音か!!相変わらず単純だな!はいっていーぞ!」
「失礼します──────…ぅ、わっ!!」
びっくりした。
いつも先輩一人なのに、そこには先輩以外の先輩が5人いたからだ。
「すまねぇ、今日は大人数だけど、気にすんな!」
「は、はい…。」
「んで?今日はなんの相談だ?」
「あ、あの…」
「あ、そう、こいつらも聞きたいってよ。」
…先輩の頼みは、断れない。
「…分かりました。」
「…で?」
俺は、先輩に天野のことを相談した。
名前と性別は伏せて。
「あ、ある人に…無理矢理キスしちゃったんです。それは、2年前のことなんですけど…。
それで、最近その人と再開して!
でもその人は、キスなんてなかったみたいに接してきて…。」
先輩になら、すべてを話すことができた。
相手の名前と性別を除いて。
「そりゃあ、忘れたかったんじゃねーの?」
「んー。俺が無理矢理キスされたら、無理矢理キスし返すけどね!!」
「中津、ちょい黙ってろ。」
「すんませぇ~ん。」
なんだかんだ言って、ほかの先輩たちも真剣に考えてくれてる。
やっぱり、先輩の友達は優しい。
だって先輩の友達なんだから。
「ハハッ…ありがとうございます、真剣に考えてくれて。」
俺自身のことなのに、必死に考えてくれてる姿が嬉しかった。
つい笑ってしまう。
すると、先輩方は硬直してしまった。


