─────────
──────
───…
次の朝
目を覚ますと、天野はもう着替えをすませていた。
そして、俺が起きたことに気付くと、気まずそうに顔をしかめる。
「その、昨日は…「やめてくれ」
俺は天野の言葉を遮ってしまった。
そうでもしなけりゃ、俺は…
昨日、天野に恐怖を感じた。
『やめて』と何度も言ったのに止めてくれなかった恐怖。
普段の天野とまるで別人のようだった恐怖。
いろんな恐怖が入り混じって、天野に八つ当たりしてしまいそうだった。
自分の恋人を、怖いと思ってしまった自分に嫌気がさす。
どうしてもっと信じてやらなかったんだ
なんですぐに受け入れなかったんだ
そんな自己嫌悪が、俺の中で渦巻いていた。
ガチャッ
部屋を出ていこうとする天野に、俺は一言こう言った。
「俺、今日休むから。
それだけ伝えといて。」
天野に背中を向けたまま。
毛布を頭からかぶったまま。
このクソ暑いのに、そんなことはどうでもよかった。
「夏音、っ─────────…、」
天野は何か言いかけたが、部屋を出て行ってしまった。
天野が部屋を出ていった後、俺はやることがなく、しかも初めてサボったため、いたたまれない思いに駆られた。
そして、悩んだあげく、自己嫌悪の渦に飲み込まれたくなくて、しばらく寝ることにした。


