「俺そもそも浮気してねーし。」 もともと、俺から付き合うなんて一言も言ってないし、杏里に好きだとも言ったことない。 「あ、その…じゃあ、そのキスマークは…」 「あぁ、首についてたやつ? これ、勝手にされた。 嫌だから突き飛ばしたけど。」 …こんなの、嘘だった。 だって俺は、今の天野にも昔の天野にも、嫌われたくない。 でもそこに、《杏里》という選択肢は無かった。