────────…ガチャッ 寮の扉を開けた。 「お、お帰りー。どこ行ってたんだ?」 気にしない。 気にしない。 「…べつに。どこだっていいだろ。」 いちいち絡んでくんなよ。 「なぁ、オレ腹減ったんだけど。」 知るかよ。 「食堂ってどこ?」 あーもうめんどくさい。 「寮の入り口の階段上がって二階。」 「サンキュー!」 そう言って天野は出て行ってしまった。 「ふぅ───────────…」 こりゃ、一苦労だな。 俺は、買ってから一度も使っていないヘッドホンを、初めて耳に当てた。