ぎゅっ
俺はなにも言わず、天野に抱きついた。
「え、ちょっ…夏音!?」
「…もぅ、あえないかと思った…」
天野の胸に、顔を埋めながら言う。
「なんで会えないとか、そんな話になってんの…?」
「…なんか、あの夜のことを天野が思い出したら、どっか行っちゃうきがした。」
「あ、あの夜って…」
分かってるくせに。
「天野。もう、どこにもいくな。
なんにもいわず、俺の前から消えるな。」
あのとき俺が、どれだけ怖かったか。
「…それって、二年前の事言ってんのか?」
ドクンッ
「きゅうに、いなくなった…
あの、二年前。
俺が、どれだけ…!」
ハァ、ハァッ
やば、呼吸が───────…
「夏音!?発作か!?」
そうだよ。
おまえのせいで、トラウマができたよ。
トラウマ出来るくらい、天野が好きだよ。
「あ、まの…天野、天野…!」
天野にしがみつき、自分の胸の辺りの服をギュッと握り締め、ヘナヘナとしゃがみこんだ。
「…ッ、ハ、ハァ」
天野が、つばを飲み込む音が聞こえた。


