「…どうも。」
一気に冷えた俺は、そんな言葉しか出てこなかった。
俺が2年前で止まっている間、天野の時計は進んでいたんだ。
だったら、俺だって進んでやる。
もう、振り返らない。
これでいいんだろ?
俺は食堂に向かい、夕食を作って食べた。
料理は得意だ。
食券を買う金が無いため、食堂のおばさんたちに厨房を借りている。
だから、たまに
「おう、小林!また肉じゃが作ってくれよ!!」
同じ男子寮に住んでる奴が、注文してくる。
「オマエが作る肉じゃが、おばちゃんたちよりうめーよな!!」
こんな事をいう奴もいるのだ。
そういうときに俺は、
「ありがとう。でも、俺の味なんてまだガキだから。」
と言うのだ。
夕食を食べ終わると、必ずおばさんたちの手伝いをする。
それが、材料と厨房を使わせてくれてるお礼だ。
今回は少し遅れてしまったけど。


