とっさに首元を隠す。
「ごめん、さっき見えちゃって。」
違うんだよ。
「向こうが、かってに…!!」
「夏音君、そう言う人だったの?
わたしのこと、遊びだったの?」
『夏音、そういうヤツだったのかよ。
オレのこと、遊びだったんだ?』
やめろ
やめて
天野、俺のことを嫌わないで
天野、俺から離れないで
もう、どこにも行かないで
黙って消えたりしないで
「あ、あ…あん、り…」
「え?か、夏音君!?」
俺の呼吸は苦しくなり、驚くほどに胸が痛かった。
「あ…ま、の。あまの…天野…ッ」
「天野君!?天野君がどうかしたの!?
苦しいの?保健室の先生呼んでくるよ!」
「待って!!」
俺は、杏里を必死に抱き止めた。
「行かないで、もう、俺のそばを離れないで…
黙って、いなくならないで…。
また、俺の前から勝手にいなくなったりすんな…!!!」
杏里に向かって、必死に言った。
「夏音君!?
誰の事言ってるの?
わたし、杏里だよ!?
ねぇ、どうしたの!?」
杏里は、俺を抱きしめ返す。
でもそれは、やっぱり天野の温もりじゃなくて。


