手首には、昨日天野に捕まれた所が赤くなっていて。
なんとなく、嫌な予感はしてた。
バッ
俺は反射的に、先輩の腕を払っていた。
「…あ、スミマセン。」
「や、別に。…でも、マジでどうしたん…」
そこで、先輩の言葉が止まった。
不自然に思い、先輩をみると、先輩の目線は俺の首あたりに向いていた。
「…それ…」
…あ。
ばれ…た!!?
自然と昨日のことを思い出す。
俺は、冷め切っていた頬が再び高揚するのを押さえられなかった。
「なんだ、そーゆーこと。」
「あ、や、べつに…」
「随分積極的な彼女だな?」
彼女、ではないんだけど。
「ん?なんだ、違うのか。セフレ?」
「俺はそんなの作んないです。」
つか、マジでなんであんなことしたんだよ…。
「え、じゃあ男?」
先輩の冗談めいた言葉に、ギクッとする俺。
「…マジ?」
うわー、先輩どん引き?
いや、でもこの人らもその気あるのか。
「…はい。」
「じゃあ、今までの相談してくる奴って…」
「男です。…キモいですよね。」
「いや…良いと思うけど…なんだ、じゃあ俺…」
なんだろう、最後のほうは良く聞こえなかった。
「え、なんですか?」
「いや…同じ男なら、チャンスあるなーと思って。」
なんのチャンスだ。
「え、でも杏里っていう彼女…」
あ
また、忘れてた。
今日あったら謝ろう。
「…じゃあ、俺3年だから。」
そう言って、先輩は階段を上がっていった。


