「あー、まぁ、むしゃくしゃしててさ。」
「そ…か。」
天野が曖昧に答えることで、不安が俺を襲った。
なぜだかは、分からなかった。
「夏音、わり、昨日オレなんかした?」
「…は?」
「元気ないように見えたからさ…」
「いや、そうじゃなくて…」
覚えてないのか?
そんなことを言おうとしたが、それを発しなくてすんだ。
「オレ、昨日夏音に何したかサッパリなんだわ。
なんか気に障る事言ってたら、ゴメンな?」
天野の言う『なにか』
それは、確実にあの事で。
思いだした俺は、顔が赤くなるのー止められなかった。
「いや…なにも。して、な…ぃょ。」
最後の方は、縮んでしまう。
しかし、覚えてないとは。
思い出さないとは、さすがに思ってなかった。
なんだろう。
不安感と、安心感。
両方ともある。
良かったと思う反面、気付いてと思う自分がいる。
「夏音、ゴメンな?」
なんの謝罪だ、バカ。


