昔からそうだった。




何かあるごとにかずちゃん、かず、和穂って呼んでた。




あたしは昔から和穂を必要としてて、和穂はそれにいつもどんな時でも答えてくれた。




8歳の時、あたしがただ転んで怪我しただけなのに、和穂は高校を抜けてまで駆けつけてきた。




10歳の時、あたしが高熱を出したらおんぶして病院まで連れて行ってくれた。




13歳の時、お父さんとお母さんが死んだ時に真っ先に駆けつけて、あたしが生きてることを実感させてくれた。




16歳の今、あたしの身体や病気を心配していつも傍にいてくれてる。




それがいつも嬉しかった。




クソ悪魔、そういって和穂を嫌っていても、心のどこかでは嬉しかったんだ。