「飲まない。薬になんて頼らない」 薬から顔を逸らす。 薬になんて頼ったらあたしがあたしじゃなくなる。 第一、飲んだってこの持病が治るわけじゃないんだから。 飲んだって無駄でしょ? 和穂の痛いほどの視線を感じる。 そしてソファーから立ち上がる音が聞こえた。 驚いて和穂を見ると、和穂はニヤリと笑ってこっちに近づいて来た。 「…どうしても飲まねぇなら、俺が口移しで飲ませる」