「や、絶対やだ!離して!離せ!悪魔!クソ悪魔!」 必死に和穂の肩を押し返す。 でも和穂との距離は一向にというか全く伸びない。 「逃げんな、俺から逃げられると思うなよ?」 迫ってくる和穂の顔。 あたしは顔を離して諦めずに和穂から遠ざかる。 「…だって、風邪うつるし!風邪ひきたくない!」 あたしが全力で言うと、 「何だ、そんな理由かよ」 悪魔はそう言ってニヤリと笑い、いつの間にかあたしの後頭部に回ってた手でグイッとあたしの頭を引き寄せた。 そしてあたしの目の前で囁いた。