「いちごパフェです」
そこには少し小さめのかわいいパフェ。
「甘そう…」
さっき食べたパスタが胃から消えたように感じる。
「ほんとに好きなんだね、こういうの」
「黙って。このおいしい味がもったいないから」
「必死だな」
なんて苦笑されても知ったことじゃない。
アイスに苺を巻き込ませて口の中へと運ぶ。
ひんやりとした冷たさに甘酸っぱさが来る。
「お味はいかがですか?お嬢様?」
「…」
もはや無視する。
そんな時に奴の携帯が鳴った。
「出るわ」
そう言うと座ったまま電話に出る。
微かに聞こえたのは女の人の声。
彼女いるんじゃないか。
『椋~、今どこー?』
なんて聞こえた。
「仕事」
『え、まじ?ホスト辞めてから超働いてんじゃん』
甲高い声は携帯を通しやすい。
「うるせえ。」
『えっひどぉーい。泣いちゃうよ?』
「家に帰れ」
表情ひとつ変えないで言っていく。

