「それに。『そういう』女ならこういうやり取りしたら泣く」
呆れたように言ってる。
こいつは本当は頭がすごくいいんじゃないかって思う。
普通に高校に通って、普通に大学に行って、それなりの会社行って、一年で辞めて
結局下の方の会社にしか就けなくて、
なんて人生を送っているのなら出会えなかった気がする。
でも結局下の方の会社に入ってそうだから変わらないか。
「自分の中で勝手に俺を査定するなよ」
「そんなことしてないし」
少しむくれる。
「お待たせしました」
目の前には二つのパスタ。
正直めちゃめちゃ美味しそう。
「お、いしそう…」
「ここのカルボナーラ初めて見たけどうまそうだな」
フォークでまとめて一口食べる。
少しだけにやけてしまった。
「おいしい…」
満足そうにこっちを見る奴。
「笑ってろよずっとそうやって」
「目の前にいるのがあんたじゃなかったらそうしてる」
「はいはい」
嫌いアピールは飽きたみたいな顔するなよ…!

