ナンパ男がしつこい件について






違う。絶対違う。



「購買行こう。授業はじまるしさ」



「う、うん」



華和は少し申し訳なさそうな顔をして頷く。





「また気になったら言ってね~!」




こっちに手を振ってきたからふりかえす。





「はぁ…」




その場にかがみこんでしまった。




「大丈夫?」




「…うん」




昨日のあいつの顔と、さっきの椋の顔がちらついた。





調子、出ないな…





「やっぱ教室帰ろ」



「わかった」




華和はそれ以上聞いてこなかった。