「つまり、巧はまだ唯花の父親だと思ってるの?」 華和が言ったその言葉にそれとなく頷く。 「お母さんのこと捨てたのに?」 「……うん」 冴えない顔だなと電車の窓で見える自分の顔を見て思う。 「だからそんなにふてくされてるの?」 「わかんない」 本当にわからないんだ。 「今日メイク変えたね」 顔をまじまじと見られる。 「…別に、前の彼氏と別れてから雑だったから」 「好きな男ができて変えたってこと」 ニヤニヤしながら華和は言う。