その瞬間、風が通り抜けた。 「椋太郎、髪の毛に葉っぱついてる」 「まじ?取って?」 少しだけ手を伸ばして、枯れ葉に触れた瞬間に その手を引っ張って、 椋太郎はあたしに、キスをした。 手の力は緩まって、枯れ葉はどこかへと飛んでいく。 「こんな俺でも、一緒にいてくれる?」 「っていうか…一緒にいよう」 そう答えて あたしは椋太郎の手を、軽く握った。 Fin.