「じゃんけんの意味全然ないな」 そう言いつつあたしの手を離して腕をまくってヒトデをどかす… 「ちょっなんでもう一回置くの!?」 「…ふっ」 「反応を楽しむな、バカあああ」 叫んでいると、ヒトデが水の中に戻った。 「ふう。あそこで手、洗おう」 「…うん」 「ちょっその手で俺の服に触るな」 やり返してやった感、半端ない。 「海のにおいになるよ、椋太郎の服」 「これ新しい服だぞ?最低」 さ、最低とは…! ちょっと反応しながら手を洗って、ハンカチで手を拭いた。