ナンパ男がしつこい件について





その言葉に………驚いた。



そしてあたしは



「あんたなんか父親じゃない!」




なんて、叫んでた。




「あんたはただ自分の欲にまみれてるだけだ!そうやって生まれちゃったのがあたしじゃん!」




ゆっくりと立ち上がる。





「椋太郎との約束、今すぐ撤回して…!」





「やだよ」




ポッケに手を突っ込んでそう吐き捨てた。





「なんで…?」




「どうあがいても、お前は俺の娘なんだよ」




何回言えば気がすむんだろう。





「どう頑張っても、お前と俺は血が繋がってるんだよ」





片桐は、そっと外に出る。



「じゃあ…あたしが、お父さんって呼んでた頃に戻りたいの?」




「ああそうだよ!」




そんな、投げやりな答えに肩をびくつかせた。





「唯花に……………お父さんって呼ばれたかった、それだけだよ」