「"それだけ"」 反復して強調された。 「………」 なぜか黙ってしまった。 「他には?」 「言うわけない」 静かになるキッチン。 そこで、「頭痛薬はやくー!」という呑気な声が、 なんとかこの空気を軽くした。 「…ほんと、わけわかんない」 「頭いたーい」 「男に囲まれてシャンパンばっか頼むから…」 薬を2錠渡して、飲ませた。