「俺が半年間使って、ゆっくり唯花を連れてこさせる作戦。すごくね?」
あたしは、巧の方に向かって
平手打ちを一回、した。
「…くくっそんな顔すんなって。お前もどうせ本気じゃねえだろ?」
男遊びの癖に、そんな風に言われた。
「椋も言ってたよ。あんなのイチコロだってさ」
「椋太郎は…そんなこと言わない」
静かに首を振る。
「椋太郎は、「お前が椋の何を知ってるの?」
絞り出していた声を完全に遮られた。
「お前、たった半年ちょっと一緒にいただけで、3年以上一緒にいる俺と対等に椋の話できると思ってるの?」
それが正論すぎて黙る。
「…………椋太郎に、何言ったの」
「だから、5万が失敗したあとに…」
「そうじゃない、絶対違う」
椋太郎はそんなんじゃない…

