「家、さっさと行こう。寒い」
「そうだね、カイロいる?持ってるけど…」
「もらうわ、」
手をつないでないほうの手まで差し出された。
「ほいっ」と言いながらカイロを握りしめた。
「あー…あったけえ…」
嬉しそうにカイロをいじってる。
「よかった、ポケットで温めておいて」
「唯花のにおいする」
…なんかその言い方は…
「唯花の手も冷たいね」
「うん、大分冷えちゃった」
カイロを自分のコートのポケットに入れて鍵を出した。
エレベーターの中もあったかいな…
椋太郎は、少し屈んであたしのマスクを顎までさげると、優しく頬にキスをした。
少し視線を下げる。

