「あなたの論文が一番点数が良かったの」
「………………え?」
ど、どういう…?
「あなたの考えも文章も一番のびしろがあると思うし、面白かった。…語彙力は置いておいて」
夢みたいな話だ。
それで名前を覚えててくれたんだ。
「普段わね、こんな仕事受けないのに藪塚さんが二次で受けたのがここだったから。英語と面接が足引っ張ってあなたを生徒にできなかったけど…」
やっぱり敗因は面接か。
「どんな人だったのか、見たかった」
「夢みたいです、本当に…わたし、去年の主催ファッションショー見に行って、本当に感動して…」
こっちにしっかりと向き直す。
「そこでね…提案があるの」
「え?」
「パリ、行ってみたくない?」
その言葉に、目を見開いた。
「パリ、ですか?」
「うちの学校に留学制度があって、あたしに全ての権限があるから、それならまだうちの学校に入れるの、向こうにいったら英語も習えるし…」

