ナンパ男がしつこい件について





「止めてください」



お、



終わったああああああ



受かったかどうかはわからないけど、とにかく終わったあああああ!!!!




早く椋太郎に会いたくて、会場から出た瞬間。





「あなた、ちょっと待って」




その声の方を向く。




「……………え」




そこには、見間違いではなければ





あの、憧れの人が立っていた。





「嘘、ですよね…?人違い…」




「藪塚唯花さん、でしょ?」




心臓の音がどんどん大きくなっていく。




大丈夫よ、と笑みを浮かべながら




「人が多いから別の場所に行きましょう」




「え?は、はい…?」




状況が全然理解できない…





「あなた…うちの学校受けたわよね?」




別室でそう聞かれた。





「え、あ、はい」




「英語が3点しか合ってなかったわね?」




うそ、そんなに点数悪かったの?



50点満点中とはいえひどい。





「英語苦手で…」




「前の試験、論文の問題のテーマを考えたのはあたし」




「そ、そうだったんですか…」