「お、ここか」 「うん、ここで合ってる」 ホームページの写真と一致していた。 店に入ると、「お客様のお名前よろしいですか?」とさりげなく聞かれる。 「藪塚です」 何かをメモするような仕草をして 「いらっしゃいませ」 と言われた。 「こちらへどうぞ」 席に誘導されてメニューを渡された。 「どれ食べる?」 もう決まってるんだけど…、 「そうだなあ、」 お、今の演技我ながらうまいかも。 「じゃあこれにするー」 店員を呼ぶボタンを押した。 椋太郎は狙い通りコーヒーしか頼まなかった。