「あら、お取り込み中?」



お取り込み…っ!?



「そんなんじゃないから!これお土産!」




お土産をお母さんの方へ投げた。




「おっとっと…」




…『どれだけ泣いて、どれだけ無理矢理笑わせたか』



今、言うしかないよね。



色んな意味をこめて




「ありがと」




お母さんが言う前にそう言う。




全部わかってるかのように頷いた。



あたしが見たことのないような表情をする。




「…優雅くんまた変なこと言って」




そう呟いて部屋を出ていった。




「よかったね」



「そう…だね」




本当によかった。




「巧さんのこと、…」




「?巧のこと?」



「…まあ、また今度でいいや」




そう言って話そうとしていた話題をやめた。