しーんとする学校はなぜか新鮮だった。 普段とは違って友達とも「おはよう」程度ですませる。 お互いそんな場合ではないから。 ファッションデザイナーになりたい。 中学の時行ったファッションショーに感動した。 その時たまたま『すごかったです』と伝えられた、憧れの人に近づきたい。 よし、おっけー。 この気持ちまだ忘れてない。 「次、藪塚ー」 前だけを見据えた。 「はい」 先生たちも出す空気が普段と違う。 「まず、志望理由を教えてください」