キッチンに立つ。
作るっていってもなあ…
少し遅れて椋太郎がやってきた。
「なに作ろう?」
「パン、余ってるみたいだけど」
ごそごそと出してくる食パン。
「ま、これでいっか」
首をパキパキ鳴らして肩を揉む。
「仕草ババアかよ」
「うるさい、今あたしも思ったんだから」
髪の毛が邪魔で手首にあるゴムでポニーテールした。
「その髪型、キスマーク丸見え」
そう言われて椋太郎を睨んだ。
「つけたのあんただろ!」
牙をむきながら食パンを取り出して冷蔵庫にたまたまあった生ハムやら色々のせていって
最後にバジルソースをかける。
「うまそ」
近づいてきて、そう言った。
「のせるだけだし簡単だから」

