ナンパ男がしつこい件について





寝起きで頭が働かない。



「唯花」



ゆっくりと話す。



「…っ」



目を閉じて椋太郎に顔を近づけた。




柔らかい感触が唇に感じる。



普段よりも荒々しくて、椋太郎の手を強く握る。



だんだん椋太郎の体がじりじり近付いてきた。




奴は少し眉をひそめた。



あたしの髪を耳にかけて、ペロッと舐める。




「ひっ…」



くすぐったくて、頭がぼーっとしてるせいか変な声が出てしまう。




唇を噛んでぐっと堪えた。