「脇、くすぐられるの苦手なんだよ…」 「悪い悪い」 俯いて、動きを止めた。 「はーあ、苦しかった」 「痛かった」 ソファを背もたれにして蹴っていたお腹をさすっている。 「ごめんごめん、悪気はない」 「いや大有りでしょ」 から笑いをして誤魔化す。 ソファに腕をかけて、 何か忘れているな、と思う。 「…荷造りだ」 「?」 「まあ…大丈夫だな。昨日やっておいたし」 一人で納得すると、「一人で納得するな」と小突く。