しばらくすると、後夜祭が始まった。



うちの学校の後夜祭はダンス部の発表やキャンプファイアをしながら



ステージを見て楽しむのが恒例だ。




これを楽しみに来る近所の人や家族連れも少なくない。




ちなみにあたしは、少しこの後夜祭でやりたいことがある。





「椋太郎、 こっち来て」




あれから色んな教室を回った。




椋太郎を引っ張ってついたのは、3年が使ってる授業準備室。




「?ここになんかあるの?」



「願い事」



「願い事?」



「二人っきりでキャンプファイアに向かって願い事すると叶うっていう、うちの伝統というかなんというか」




椋太郎はへえ、と言いつつ炎を見つめた。



「上から見ると尚更きれいだな」




「うん」




椋太郎はパンッと手を合わせる。



それを見てあたしも手を合わせた。









なんだかんだ、好きな椋太郎と一緒にいたいです。




そう心で呟く。