ナンパ男がしつこい件について





「袋…?」



熊が持っていた袋を取って中を見た。



中にはまた可愛らしい袋が入ってる。




少し小さい。



手に取った瞬間わかった。




「クッキー…?」



「まずいかもだけど」




え。



もしかして



「手作り!?」



「そ」



クッキーの入ってる袋を見つめながら頷いた。



え、前料理は全然って…



中を見たらアイスボックスの形は少しいびつだけど、すごくいい香りがしておいしそうだった。



近くにいる椋太郎をぎゅっと抱き締めた。



「お、おい」



お腹に頭をぐりぐりさせて、バカ、と思いながら




「大好き」



そう呟いた。



椋太郎は今どんな顔してるんだろう。




「………」



奴は、固まっていた。



何気なく上を向く。




あたしのことを、じっと見つめていた。




………?



「唯花」



「?」




「俺、21なんだよ」




いや、それくらい知ってますけど。



「何を今さら」