あーくそ、とかいい言いながら
軽く前髪を直してる。
…かわいい。
なんていうか、かわいい。
椋太郎を見てクスクス笑った。
「笑うなよ」
ふてくされてる。
椋太郎に普段意地悪されてるこっちとしては、勝つということはまずできない。
「ほんとに黙らせるよ?」
「え?」
机に頬杖をついてこっちを眺めてくる。
「あんま俺のことバカにしてると、黙らせる」
「どうやって?」
「こうやって?」
楽しそうな顔をした。
………嫌な予感。
変な空気を察して逃げようとしたときには、
こいつに黙らせられるというか、唇が触れあっていた。

