ナンパ男がしつこい件について





ぬいぐるみかなんかかと思ったのに。




そしてこいつのセンスの良さに店に行くたびに驚く。




おいしい。毎回おいしすぎる。




「唯花の幸せそうな顔見るの好き」




「うん、ありがと」




「…産まれてきてくれてありがとう」




あたしは目を見張った。



椋太郎はこんなこと言わない。




奴は照れ隠しに下を向く。




「うん、よかった。産まれてきて」





「バカにされると思ってた」




…そんなわけない。



「いっつも突っ込まれるし。俺こんなこと普段言わないし」




「普通にびっくりした」