さぼり性は昔からだ、バカ。



誰もいない柵の前に二人で立った。



「なんかこっち見られてね?」




椋太郎が睨み返すようにキリンを見る。




「あの、餌あげてみます?」




飼育員さんに言われた。




「え、餌あげていいんですか?」




「はい、今お客さん少ないですし」




人参を渡される。



「あれ?キリンって草食べるんじゃ…」




「人参も食べますよ。あげてみてください」



ぐっと手をのばして人参をあげようとする。




キリンはこっちをチラッとみて無視した。




「あれ?餌の時間でお腹すいてるはずなんだけど…」



飼育員さんは首を傾げる。