ナンパ男がしつこい件について






「お茶飲む?」



「それよりも、洗面台借りてもいい?」




「え、いいよ」




ありがと、と言うと立ち上がった。




「洗面台廊下曲がってすぐだから」




「わかった」




見た目が違うだけの、椋太郎。




そうだ、椋じゃない。




それにしても動いてる椋を見ることになるとはなあ。





「お待たせ。タオル借りたよ」




声の方を向くと、髪の毛はびしょびしょで、アイラインも落とした椋太郎がやってきた。




髪をガシガシ拭いて戻ってきた。





「風邪引くから、ドライヤー貸すよ」



そこ座って、と鏡の台座の前のイスに座ってもらう。




ドライヤーを取り出すと、コンセントにさして椋太郎の髪を乾かす。




ワックス、頑張って取ってくれたんだ。