仕事用のスーツとは全然違う着こなしで、 「唯花」 いつもの何倍も髪の毛に時間をかけてて、 「ごめんな、こんなときに」 汗で滲んでるアイラインは、それでもかっこよくて、 「でも、俺椋太郎だよ?」 「…ほんとに?」 「椋じゃないから、椋太郎だから」 「…中、入りなよ」 そう言うと困った笑顔で頷いた。 「おじゃまします」 「今、気使っておばあちゃんとおじいちゃんどっか行ってるから」 「そっか」