ナンパ男がしつこい件について





走って玄関まで行ってドアを開ける。



「え?」



駆けようとした足がすくんだ。




息切れして、片手に携帯を持っているのは椋太郎だと思う。



でも……………




金髪頭に、きりっとしたアイラインが少し滲んでる。




雑誌で見た椋太郎、そのものだった。




「なんで………」




「ごめん、俺、こんな格好で唯花に会おうと思えなかった」




「………ホスト、辞めたんじゃないの?



過去のことなんじゃないの?」




椋太郎は少し、視線をそらした。




「椋太郎………。」





「ごめん」



としか言わない。




「あたし、椋に会いたいんじゃないんだよ?今、会いたいのは椋太郎…なんだよ?」




自分でもひどいことを言っているのはわかってる。



それでも、悲しかった。