「ただいまー…」
「おかえり。試験は?」
「良い感じだったよ」
「…にしては冴えない顔してるね」
おばあちゃんはこっちを見て不思議そうにしてる。
「…うん。大丈夫。疲れただけ」
…椋太郎。
椋太郎の声が聞きたい。
椋太郎に『お疲れさま』っていってほしい。
「これ、ただのいじわる?」
いつものSないじわる…?
ベッドに横になったのに、頭の中は不安だらけで、
目を閉じた。
それでもただ時がどうしようもなく進んでいくだけで、
目を開けると16時になっていた。
『試験終わったよ!』
今度はメールをしてみる。
届いてますように。

