靴を脱いで椋太郎の肩に手をかける。
ゆっくりと椋太郎の目が閉じる。
にやけるな、この変態。
顔を近づけていく。
あと、3センチ、2センチ、
…
唇が当たった。
「!?」
あたしは目を見開いてしまう。
にゅるっと何かが唇を舐めてくる。
「待っ…」
言おうとして、口を開けると中に入ってきて
歯をツーと滑っていく。
あたしは、椋太郎をさっきよりも強くだきしめた。
というか、自然にそうなってしまう。
「りょ、たろ……」
少しだけ笑ったような椋太郎は休む隙もなくどんどん舌を絡めてく。
完全にビールの味が口の中に広がる。
苦い…
一度閉じた目をもう一回開けた。
すると、椋太郎も目を開けていて目が合う。
それを合図にお互い動きをやめた。
「にが」
手の甲で唇を拭いた。

