「あーごめん。ちょっと先生に質問したいところあるから」 「そっか。あたしも帰って勉強しなくちゃいけないし帰るね?」 そう言って荷物を持つ。 階段を降りて、ローファーを持つ。 3年間何も代わり映えのない、何気ない行動。 昇降口に出て門を越えて、少しすると最寄りの駅が見えた。 …なんか少しだけ人多い? 若干の違和感を持ちながら駅へと近づいた。 たまたま近くで何かあったんだろうと思う。 これくらいの人の多さはたまにある。 駅に入ろうとした瞬間だった。 「ねえ」 なんて男の人の声が聞こえる。