じゃあ。 それなら。 本当に、こいつの『惚れた』とか『付き合え』とか 『お気に入り』とか。 全部冗談で。 ただ人の心を遊んでただけで。 「…?会計いくよ…?」 スタスタと歩いていこうとする奴。 え。 待ってよ。 行かないでよ。 遊ぶだけ遊んで、あんたが満足したらそれで行っちゃうの? やだ。 あたしだって…別に椋太郎のこと、嫌いじゃなくなったのに。 むかつくけど。 いいやつだって、思ってたのに。 「待って… やだ…。」 呟くように言う。