ナンパ男がしつこい件について






「耳栓ねぇ…」



そう言いながら携帯をしまう。



「例えがバカ」



この人、なんなの?



思いつつ、最後の一口を食べた。




不服さと幸せが両方来る。





「おいしかった?」



「椋太郎のせいで半分減った」




「あっそ」




立ち上がる奴。




あれ。



でも、これでこいつと関わることってなくないか…?




そうじゃん。



前みたいに何も心残りはない。




迷いもない。




大丈夫。




「ねえ」



自信満々に話しかけた。