片想い




"ガタンガタンガタン"


私は今日も電車に揺られている。
あの頃を思い出しながら。


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「なーなー!おっはよーん。」

「あっ!おはよー、ゆか。」


ゆかは私の親友。
もう10年の仲になる。
かわいくて、優しくて、信頼できるお姉ちゃんみたいな存在。

「ねー♡きいた?」
「なにー?」
「転校生が来るらしいよ♡」

ゆかの話によると、親の離婚が原因で時期はずれの転校をすることになったみたい。

「これがさー、やっばいイケメンらしいんだー!」

通りでクラスの女子たちは落ち着かない様子で、中にはメイクや髪を巻いたりしてる人もいた。

「おはよー!出席をとるぞー。」
「ね、せんせ♡その前に転校生は?」
「お前ら情報早いなー(笑)早坂。入ってきていいぞー。」

"ガラ"

入ってきたのはとてつもないイケメンだった。
柔らかい雰囲気にミルクティー色のさらさらの髪。
ブルーグレーの丸い瞳。
すっと伸びた長い足。

イケメンとはこの人のためにある言葉なんじゃないだろうか。