*****愛*****

そう言って謝った彼からは
太陽の匂いがした
体全体を包み込むような優しい笑顔の彼からは、芳しい太陽の匂いがした。


「太陽」

「…え?」

「太陽の匂いがするね。いい匂い。外にいたんですか?」

「いや、隣の病室に見舞いきて…あ、まぁ、外通ってきたけど、そうだな、うん。」



あ………私なに聞いてるんだろう


「ごめんなさい急に。すごくいい香りだったからつい。外暑いみたいですね、倒れないようにお気をつけてくださいね」

「あの。」

??

「あなたに、また会いにきてもいいですか?」

「わたしに?ふふ、嬉しいです。いつでもどうぞ」


なんで私はこんなこと答えてるんだろう

「ありがとう。吉岡優太って言います。」

「あ………吉岡 愛っていいます…」

「あ………w
じゃ、また来るね、愛ちゃん」


ふわぁって笑うんだ
くしゃって顔になるんだ
でもニカッて歯は見せるんだ

優太君。
優太君。
優太君。

太陽みたいな男の子。

青いTシャツにまぶしい笑顔が
空そのものだった。





-------------きゅん。----------------







あ。好きってこれかもしれない。
好きな人なんていないからわかんない。
けど、好きってこれな気がする。
好き?

………好き。


病室に、空が近づいた気がした。