私たちが校門を出たときには空はもう真っ暗だった。
はぁー…どうしよ。八月で夏といえど、さすがに八時は暗い。

お母さんに迎えにきてもらおうかな…。

私はそう思ってケータイを鞄から取り出した。

「もしもし。お母さん?」
『葵?』

「今学校なんだけど車で迎えに来てくれないかな?」
『なにいってるの。自分で帰って来なさい。お母さん、ドラマで忙しいから。じゃね』

ブツッと一方的に切られる電話。

ひどっ!娘よりドラマ!?

うぅ~薄情ものぉ…

「あっ…宮崎さん、家まで送るよ」

私がショボンと歩いていると陸君が私の顔を除き込む。

ドキッ

そんなしぐさにふいに胸がなる。

ヤバイよ。不意打ちは反則だよ陸君。(*/□\*)

「えっでも…」

「いいから。ね?宮崎さん女の子なんだから」

きゅーん

はぁ~天然たらし過ぎるよ。

だって本人無自覚だもん。絶対。

「まあ、一応女の子だしね。仕方ない。送るか」

「ああ、一応な」

「…」

おい。言いながらため息をつくな。ため息を。そしてなにかいってくれ。理人君、マジで頼むから。無言はきついって。

それから私はなんだかんだで家まで送ってもらった。

途中、どっかの失礼野郎ども約二名が、なんか悪口を挟んできたけど、完全無視してやったもんねっ!