「もしもし、小春ちゃん?」


『あ、葵ちゃん』


『どうしたの?』


ちらりと勉強机に置いてある小さい電波時計に目を向けると、すでに夜の9時30分を回っていた。


『あの、直接お話したいことがー…』


小春ちゃんの声がだんだん小さくなっていく。


「?わかった。行くね」


待ち合わせを近くの公園にして、私は急いで上着を羽織った。


夏と言っても、夜はやっぱり肌寒い。


私はケータイと財布だけをポケットに入れて、家をでた。