なのに蘭は違ったの?


『葵なんていなかったらー…』






「はっ…はぁ、」


目を開けて私はいつの間に眠ってしまったんだろう?と思った。


眠っている間ずっと拳を握っていたのか、じっとりと汗が手のひらについていた。


そうだ、私ダンスのこと考えるの止めてー…


そのまま眠っちゃったんだっけ。


ピロリロリン♪


とケータイの着信音が鳴った。


ディスプレイには“小春”と映し出されていた。


私は通話ボタンを押して、ケータイを耳に当てる。