あれはー…中学2年になった時だったかな…


『葵、好きだ。付き合って』


下校時間がとっくに過ぎた薄暗い教室で、蘭は思い立ったように言った。


突然。本当に突然、日直の学級日誌を書いていたときの出来事。


まっすぐに私を見つめる瞳が、私の目をとらえる。


『うん…あの、よろしく』

私は気恥ずかしくなって蘭から目を背けた。


大好きだった。


毎日手を繋いで帰り道を歩くのも、


男の子と映画を見にデートしたのも。


毎日毎日蘭のことを好きになっていった。