と。


そこには、ふふっと笑って私を見つめる天王寺海斗の姿があった。


相変わらず、感情が読めない笑顔。


笑ってるのに、“怖い”と感じるのは何でだろう?


「無視?」


「ねぇ」とまたにっこり笑う天王寺海斗。


…だから怖いってば。


「昨日の約束忘れてないでしょ?」


「も、もちろんっっ!」


「じゃあー…さ、」


天王寺海斗が、口を開くと同時に次々と部活が終わった人、帰宅部の人などが教室に入ってきた。


「ここで、脱いでみてよ」

教室内は、幸いにもざわついていて、みんなには聞こえてなかったみたいだけど俊君と陸君と、今遅刻ギリギリで席についた凪君と理人には聞こえたみたいで、突然の天王寺海斗の言葉にみんな驚いて目を見開いてる。


…凪君なんか、飲んでいたお茶を「ぶっ」て吹き出してるし。